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ジェンダーフリーとフェムケア

制服のジェンダーフリー対応に必要な考え

フェムケア・フェムテックとは

近年、フェムケアやフェムテックという考え方が広まってきています。

これらは、どちらも女性の健康に関する課題を解決するサービスや商品を意味しています。
  • フェムケア(Femcare):(女性の)と(ケア)の造語で、デジタル以外の女性の身体をケアする方法
  • フェムテック(Femtech):(女性)と(テクノロジー)の造語で、アプリやAI(人工知能)といった技術を使った解決方法

一般的にはこのような区別で定義付けされています。

学校制服におけるフェムケア・フェムテックの必要性とは?

近年LGBT対策として、ジェンダーフリー仕様の学校制服へのモデルチェンジが全国的に進んでおり、新制服には女子のスラックス着用が採用されています。その際、モデルチェンジに伴い制服のイメージを一新させたいとの要望も多く出ますが、実際のボトムス柄の選定は引き続き暗色が選ばれることが多いのが実情です。

その理由のひとつに、生理汚れの心配があげられます。中高生位の年代は、初潮を迎えたばかりの時期で子宮や卵巣の働きがまだ十分でなく出血量も安定しないことが多くあるそうです。安定しない上に、まだ対応に慣れていないこともあって、予期せぬ量の経血によって生理用品の使用も間に合わず汚れてしまうことがあるそうで、心配する意見が制服検討委員会(学校&在校生家庭)の女性参加者から挙がることがあります。
今後は、女子のスラックス着用が進むことでその心配の数が多くなることが懸念されます。
というのも、これまで女子制服のボトムスはスカートが一般的でした。
制服のスカートはプリーツ(ヒダ形状)の採用が大多数で、プリーツのヒダが折り重なっている構造上、内部からの汚れが表面までは出にくくなっていました。仮に表面まで到達しても股下と生地は密着していないため、付着箇所が股付近からずれる事も多いですが、スラックス着用時は、生地と身体が接しやすい形状のため股付近に汚れがつきます。
そのため今後はジェンダーフリー対応として女子スラックスが普及していくに伴い、仮に暗色生地を採用しても生理汚れの付着が気になるケースが増加することが予想されます。

そこで、当社は生地製造元の日本毛織株式会社(通称:ニッケ)と協議して最も経血汚れが生地に付着しにくく取れやすい混率と加工(撥水等)の試験をBOKEN(ボーケン:外部検査機関)に依頼し、特定をしました。
今後は生理汚れ以外の汚れも付着しにくく且つリーズナブルな新加工の開発を行い、モデルチェンジ実施予定校にフェムケア機能をプラスした商品として提案をしていく予定です。

フェムケアの考えを取り入れることで制服の柄選定はもっと自由に選べるようになりますし、着用者もご家族も生理汚れの心配を最小限にスラックスが穿けます。
単純に『ジェンダーフリー=ジャケットと女子スラックスを導入』ではなく、着用シーンまでを想定し技術的なサポートを織り込んでおくことが、我々制服を製造し供給する側の責務と考えています。
なお、この計画は2023年9月に経営革新計画として承認を受けています。
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