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片山衣料のブログ

セーラーライン取り替えは可能か?

2021-10-11
夏休みも終わって、多分どこの地域の小学校6年生も進級先について考えているかと思います。
先日あった話ですが、とあるセーラー服の学校の生徒家庭が、卒業のタイミングで引っ越しをすることになり、ちょうど来年中学1年生になる妹さんがいるので、そのセーラー服を引っ越し先の学校のセーラー服に作り替えてくれないか?という依頼が制服販売店からありました。
引っ越し前のセーラーのセーラーラインが3本線ですが今度の学校は2本線。1本とってくれないか?というのが詳細なんですが、結論としては「できないことはないけどきれいには仕上がりません」です。

理由1.卒業まで3年間着用したとなればそれなりに太陽光を浴びているとなるとさすがに退色しているので、ラインとった跡の境目がくっきり出ている(水着の日焼けした跡みたいな感じ)可能性が高い

理由2.ラインは学校により本数の他に太さも違うので1本取っただけだとバランスが悪い(ほかの子と違う)ので全てとって付け替える必要がある=パーツの状態までバラす必要があり、材料費はそうかからないが工賃が非常に高くなる。あと縫い跡はさすがに3年以上経過していると蒸気をあてても残っている可能性が高い。

理由3.ということだから安くできないし、その割に新品より見劣りする完成度になる。

それだったら新品を購入したほうがいいね。というのが結論でした。リユース品を使うことは地球環境にとっていいことではありますが、同じ条件下(学校)で利用するようにしないと誰も何も得しない=長続きしないことになってしまいます。その塩梅が難しいところではありますね。そういう製造(製品ができる過程)を知らない販売店さんの立場にとってみては、何ができて何ができないかわからないでしょうし。
実際ライン付け直しってことで汚れや破損したカフスのセーラーラインを付け替える修理(自社製品に限る)も対応していますのでわかりにくいんだとは思います。
セーラーラインの種類
セーラーラインも色々
ちなみに上記のようにセーラーラインは色、幅、組み方で色々バリエーションがあります。これもほんの一部で、他にも校章刺繍と組み合わせの学校もあります。

ライン以外も襟の形状で
・関東襟
・関西襟
・札幌襟
・上記以外の変形型
と地域によって形状は様々です。

画一化の象徴とされることもある学生服ですが、意外と個性的で地域ごとのこだわりが感じられたりします。
なのでエリアが離れたセーラーは流用できなかったりするんですね。
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