本文へ移動

片山衣料のブログ

2020年8月追記

2020-08-01
学校制服とは関係なさそうな某"超"大手商社が、新型コロナウイルス感染症拡大防止のための3密空間回避の為サイト上で全て完結する(発注・受注・代金回収などができる)サービスを開始するとネットニュース等で発表がありました。同様のシステムは当社でも既に運用しているシステムですが、今後はさらに普及していくのかもしれませんね。ただ疑問、というか懸念もいくつか(採寸の話から一部脱線しますが)、、
 
念.1
採寸については、オンライン試着サービスで採寸の手間が軽減されているそうです。しかし採寸についてはまだ不安があるかなと思います。買い足しについては問題なく運用できると思いますが、最初の購入時はどうしても保護者さんもわからないことが多いので
(どのくらいのサイズ感がいいのか)
(今伸びてるけどorお兄ちゃんは中学から伸びたけどこの子は女の子だから伸びるのかな?)
その辺で採寸時と考えが変わり交換が発生する可能性も高いです。
当社も長年学校制服業界に携わっていますが、最初の注文通りのサイズを納めても「やっぱサイズ交換して!」という販売店さんからの連絡は絶えません。そのため在庫0着の状態はとても不安になるので必ず予備を製造・発注します(モデルチェンジ間際の学校は除く)。それでも突然不足は発生します。
合格発表から入学式までの日数も少ない中、採算度外視で商品をかかえ製造工場からお宅まで直接お届けなんて荒業も多用する業界ですが、そんな対応ができるのかそれとも在庫をうず高く積むよう求められるのか…。
ともかく配送センターに送ってそこから個別宅に送るだけで、メーカーから直接送るより1日多くかかります。
 
念.2
物流に関してはフルフィルメントサービスだそうですが、懸念.1に備えて多めに在庫も抱えるのか。また学校の用品は意外と点数も多い&サイズ展開も多いのに、それに足して懸念.1の交換作業等が入るととても煩雑になりそうです。販売時期(入学シーズン&衣替えシーズン)が全てかぶる業界なのにどうなるのか…。
もちろんアマゾンのような大規模設備を有する会社では既にクリアしていることなのかもしれませんが、制服は在庫回転率も悪いと思うので。ただ「売り切れました」と「サイズ交換の場合は入学式にお届け出来ません」をするのであれば考える必要もありません。
※フルフィラメントサービス…通販での受注から配送までに係るプロセスをすべて代行するサービスのこと
 
念.3
〇制服ーカー&学用品メーカー ←→ サイト ←→ 学生&保護者
 
という仕組みなのですが、地元制服販売店は…どうなるんでしょうか?メーカーとして販売チャンネルが増えるだけなのか否か興味深いところではあります。学校と地元販売店はこれまで密に連携し、制服を供給してきたという経緯もありますしね。仮に両立するにしても地元の販売店で採寸だけしてネットでポチッて注文という家電業界のような世知辛いことが多くなりそうな気もします。そうなると試着採寸はサービスではなく、有料で行う販売店も出てくるかもしれませんね
 
念.4
メーカーとしては、プラットフォームに乗ることで楽は出来ますが、いわゆる『プラットフォームの横暴』で
・一時期話題になった楽天の一律送料無料化のように一方的な変更・利用料の値上げを行う
・利用するメーカーのビジネスノウハウを弱体化させる
色々リスクがあります。
ただ食品やファッションアイテムと異なり販売できる相手が限られている業界で、大手サイトの検索順位上位でないと売れない!とかそういうわけでもないので、そのあたりはちょっと違う流れになるかなとは思います。
大手サイトでは学校別注商品の販売はできないので、やるかやらないか自分で作るかのシンプルな3択ですね。
公立制服で一括製造(色々問題はありますが)の場合ならともかく、各社製造(仕様書に従って複数社製造可)の場合は各社契約すれば全社分掲載するんでしょうか?そんな感じで重複すれば完全な値段競争ですね。。。
TOPへ戻る