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シャツ・ブラウスを漂白したら変色してしまった場合

日差しの強くなる5月以降に、特に女子生徒の世帯からお問い合わせいただく内容として多いのが、
『お洗濯の時に漂白剤を入れて洗ったらブラウスが変色してしまった!』
という相談です。この原因として考えられるのが日焼け止めの使用です。

日焼け止めに含まれる成分の中には、塩素系漂白剤と化学反応を起こしてピンク色(他に紫色)などに変色する性質のものが含まれていることがあります(酸素系漂白剤の場合は変色の心配はありません)。
そのため、日焼け止めを塗り始めるような日差しの強くなる時期にシャツ・ブラウスを塩素系漂白剤で漂白すると、皮膚から生地に付着し洗濯で落とし切れなかった日焼け止め成分と反応し変色してしまうことがあります。
衣類の生地自体が染まったわけではありませんので、このような場合は落とし切れなかった日焼け止めの成分を洗い落とせばきれいになります。

回復方法

①変色した箇所に、洗浄力の高い濃縮タイプの液体洗剤の原液を直接塗布
②通常5分~15分ほど置いた後に、もみ洗いをしてよくすすぐ
③変色がひどい場合や一度で落ちない場合は①→②を繰り返す(2時間ほどつけ置きした例もあります)
写真Aは衿の左右両方が変色している状態です。
このシャツを上記の方法で回復させた(比較用に左側のみ)のが写真Bです。
繰り返しますが、シャツ生地自体が変色しているわけではないので丹念に洗うことで変色は取れます。
※塩素系漂白剤でも製品によっては変色しないものもあるようです
写真A. 衿が変色してしまった状態
写真B. 衿の左側のみ回復方法を実施
自身で日焼け止めをつけていなくても、日焼け止めをつけた他の子が衣服に触れる機会があれば成分が付着する可能性はありますし、漂白剤成分入りの洗濯洗剤もあります。学校制服用のシャツブラウスに限らず、Tシャツやスーツ用Yシャツ、その他衣類でも条件が揃えば同じ現象が起こりますので、写真のような変色が確認されたらぜひお試しください。

スリップ・スロップ・スラップ・ラップ

異常気象により、猛暑や酷暑といわれるような日が当たり前になっています。日差しも当然強くなりますから、肌トラブル防止のために日焼け止めをつけることが男女共に今後推奨される…どころか必要不可欠になっていくかもしれません。
ちなみに日本よりも日差しの強いオーストラリアでは、80年代に導入された「サン・スマート(Sun Smart)」プログラムのなかで『スリップ・スロップ・スラップ・ラップ(Slip, Slop, Slap, Wrap)』 というスローガンを掲げ、こどもたちに紫外線予防のため日焼け止めを塗ろう(Slop on some sunblock!)と活動しているそうです。

日本でも今後より日差しが強くなっていけば同じような活動が出るかもしれません。そうなってくるとこの変色現象もより多くのご家庭で発生するようになるとは思います。変色を防ぐためには日焼け止めがついてしまった場合は事前に上記方法で落とした上でお洗濯することをおすすめします。
ただそうはいっても気づかず洗濯して変色してしまうこともあると思います。翌日着ていくものがないと困ってしまいますので、肌に触れて頻繁に洗う夏用制服のシャツ類や白のセーラー服は洗い替えとして複数枚は持っておくことを併せておすすめします。

『スリップ・スロップ・スラップ・ラップ(Slip, Slop, Slap, Wrap)』とは
・長そでのシャツを着よう! (Slip on a long sleeved shirt!)
・日焼け止めを塗ろう! (Slop on some sunblock!) 
・帽子をかぶろう! (Slap on a hat that will shade your neck!) 
・サングラスをかけよう! (Wrap on some sunglasses!)
※オーストラリア大使館サイト参照

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