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片山衣料のブログ

詰襟学生服のカラー部分(合皮パイピング)がボロボロになる原因

2023-04-14
男子詰襟学生服(学ラン)の襟の部分に使われている白い合皮パイピングにおいて、全国的に剥離が起こる事例(ボロボロになる)があるということで連絡がありましたので、注意喚起のため原因と注意事項を掲載します。

まず、学ランの襟の白いパイピングには「合成皮革」という素材が使われており、生地の上にポリウレタン樹脂をコーティングしてあります。このポリウレタン樹脂は、経時的に加水分解を起こして脆化する(ぜいか:脆く壊れやすくなる)短所があり、着用方法やメンテナンス方法によっては症状が一気に進んでしまいます。
濡れた状態での使用や長時間の湿気にさらされることで加水分解が進行し、劣化してしまうことがありますので、以下のメンテナンス方法を参考にしてください。
メンテナンス方法
〇汗や水分を拭き取る 
衣服を着用した後や雨に濡れた場合は、できるだけ早く汗や水分を拭き取り、乾燥させるようにしましょう。 

〇陰干しする 
太陽光に当てると加水分解が進行するため、陰干しするようにしましょう。ただし、長時間濡れたままにしておくことも加水分解を進める原因になるので、できるだけ早く乾燥させるようにしましょう。

〇衣服を収納する場所に注意する 
湿気の多い場所や直射日光が当たる場所に衣服を収納すると、加水分解が進行しやすくなるため、乾燥した場所に保管するようにしましょう。
代替品のラウンドカラー仕様は、詰襟製造工場から「どのメーカーも合皮パイピングを使用している」と聞いていますので、地域やメーカー問わず発生するリスクがあります。また今後は詰襟学生服自体が全国的なLGBT対応のための制服のモデルチェンジと少子化による需要減が確実視されていますので、今後加水分解を起こしにくい新素材を開発し採用するかは不透明な情勢です。

一般的に合成皮革のポリウレタン樹脂の寿命は「素材が製造されてから3~5年」とされています。
素材の特性上、大なり小なり脆化は避けられないため、注意事項をご確認の上、出来るだけキレイを長く保てるようお手入れください。
既にボロボロになっている場合は、お買い求めの販売店にお問い合わせください。当社の提供品はカラー交換が可能ですし、多分他メーカーも同様のはずとは思います。

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