片山衣料のブログ
約十数年ぶりに戻ってきた案件で物価高を再実感
2024-09-06
先日平成中頃まで当社で製造して販売店さんに納品していたとあるワンピースの依頼が、別の問屋さんから舞い込んできました。当時製造しなくなった理由ですが、これはもう単純に工賃が非常に安すぎて、価格交渉を再三していても「先方から子どもたちのためにもこの価格を維持してください!!と言われているから」と。けれどそれじゃこっちがやっていけないのでとお断りして早十数年、その販売店さんからではなく、そんな当時の事情を知らない問屋さんを経由しての縫製依頼です。
ちなみに提示された工賃は当時の当社の出し値の2.5倍強!これに問屋さんの利益が乗って、販売店さんの利益が乗って、園&各ご家庭に渡るの時はいくらになっているんだろう…とずいぶん高い設定になっていました。
問屋さんには「この製品元々うちでやっていたよ」なんてことは言っていませんし(言ってもいいんだけど)、型紙もあるし、しかも工賃は2.5倍だからお受けする一択なんですが、当時からすると、とんでもないほどの高価格商品になったなと思います。きっと次の工場さんで断られ、言い値で工賃上がっていったんだろうな…。
ちなみに生地価格を見積もりましたが、生地は当時の1.8倍ほどでした。こっちも高い!副資材も運賃もはるかに高くして積算しないとなので、当時より手残り多い計算ですが決して暴利を貪ってるわけではないですね。
当社は学校制服製造で毎年継続する製品が多いからこそ、都度原価計算をしっかりやっておかないといつも間にやら儲からない赤字案件を付き合いで続けているみたいな事態になりかねないと思わされた出来事でした。